ここでは水ロケットや低圧でのハイブリッドロケットエンジンを自作する際に利用できる手動弁と電磁弁を紹介します.(定格1MPa未満のものを中心に紹介します)
はじめに
弁は水や空気といった流体の流れる量や,その方向を制御する機械動作に関わる部品です.
ここでは,その構造に関する説明等はせず,実際にモノづくりをする際に使える弁を紹介します.
おすすめ手動弁
日本ピスコ(PISCO) ハンドバルブ ユニオンストレート 2方弁タイプ
一般的な2方弁(入力側と出力側があるON/OFF弁)です.
また,以上のようなON/OFF弁の機能に加えて,OFF時に下流側を排気する機能がある以下のような3方弁タイプもあります.
日本ピスコ(PISCO) ハンドバルブ ユニオンストレート 3方弁タイプ 適用チューブサイズ(IN):6mm
これらの弁は「ワンタッチ継手」という接続方法でチューブを接続できます.簡単に付け替えできるため,考えながら開発を進めるラピッドプロトタイピングに向いています.
流体を流すためのチューブは,一般的には4mm~12mmがありますが,現在紹介している弁などは外径6mmのチューブに適応したものが入手性が良いため(経験上),以下のものをオススメします.
日本ピスコ(PISCO) ポリウレタンチューブ ブラック 全長:20m チューブ外径×内径:6mm×4mm
おすすめ電磁弁
以上のような,手動弁では自らの手で開閉動作を行う必要がありますが,電動でそれを行えるのが電磁弁です.ここでは,ソレノイドを用いて開閉動作を行う電磁弁を紹介します.
CKD 圧縮空気用パイロット式2ポート電磁弁 EXAC602C3
この電磁弁は大流量の流体を流すことができる上に,パイロット式という比較的軽量な電磁弁です.また,先ほどの手動弁と同様にワンタッチ継手のため便利です.
動作させるための電源DC24Vを用意することが難しければ,簡単にUSB端子5Vから昇圧できるDC-DC昇降圧コンバータが販売されているので,簡単に実験してみたい方にはオススメです.
MdskGang 2個 USB DC-DC昇降圧コンバータ 調整可能な電圧レギュレータ
番外編:高圧領域(1MPa~)の場合
一般的に販売されている電磁弁の定格圧力は1MPa未満のものが多く,それ以上の圧力で利用できる弁は一般的には販売されておりません.
(※1MPaを超える圧縮空気等を扱う場合,取扱の免許が必要になります.)
しかし,スウェージロック社が高圧領域でも利用できる弁を販売していますので,学校法人などであれば購入できると思います.
高圧領域になると,DC12~24V電源のソレノイドではパワーが足りず,AC100V電源のソレノイドでないと制御できなくなります.しかし,それらは重量が大きいためロケットに搭載するのは難しいです.
※電源も重たくなる…
そこで,高圧流体をソレノイドの代わりに低圧の圧縮空気で制御するエアオペバルブを利用することも一つの手段であると思います.
もしくは,手動弁のハンドルを電磁モータで操作する機構を自作するというのもありかもしれません.
法令順守で色々挑戦してみてください!
さいごに
今回は,おすすめの手動弁と電磁弁の紹介をしてみました.
次回は,これらの弁を用いて実際に動作させる例を紹介していこうと思っています.