実験する上での安全対策

実用編

はじめに

実験をする上で,安全に考慮することは非常に重要です.
ここでは,モデルロケット等,電気や火気を扱う上で安全上必要な知識を共有します.
最後にはテストもあるので,新人指導にご活用ください.

実験前の環境確認

周りに可燃物がないか確認する
装置を設置する周囲10m以内に可燃物がないか確認する.あれば20m以上離れた場所に移動させる

指定可燃物の例
綿花類,木毛,カンナくず,ぼろ,紙くず,糸類,再生資源燃料,可燃性固体,可燃性液体類,石炭,木炭類,木材加工品,木くず,合成樹脂 など

関係者以外がいないことを確認する
立ち入り禁止の表示を行う.

立ち入り禁止表示の例

室内の場合は換気を行う.
近隣住民への騒音対策のため,燃焼中はドアを閉める.燃焼が終わったら換気再開する.

消火器の設置
家庭用消火器&エアゾール式消火器&砂入りバケツ&水入りバケツが指定カ所に設置されていることを確認する.※水入りバケツは人が燃えた時に使用する.電気機器には使用しない.

火が衣服に燃え移った際の対処法

絶対に焦って走らない.走ると余計に炎が強くなります.
水をかけて消火する or タオルなどで叩き消す.
水による消火ができない場合は、その場に倒れて左右に転がるようにして消火する.
脱ぎ捨てることができる場合は,脱ぎ捨てる.

消火器の使い方

火気を扱う場合は,消火器を準備する.
※電気回路に使用する場合は,感電の二次災害リスクがあるため電気火災対応のものが望ましい.

1.レバーの下側を持って消火器を運ぶ

2.安全栓を抜く.火元からの距離は,火炎の高さの2倍程度を目安とする.

3.ノズルを火災源に向ける.

4.ノズルをしっかりと持って,炎ではなく火元に向ける

5.レバーを握って消火剤を放出する.


燃え上がっている箇所が装置や回路でも躊躇なく噴射する.安全第一.
担当者を事前に決めて逃げ道の把握など予行演習しておくことが大切である.
※咄嗟に誰が行うのか迷わないため.

保護具

保護具は,万が一の事故の際に身を守る重要なものです.必ず着用してください.

・安全メガネ
・ヘルメット
・マスク
・低圧用ゴム手袋

理解度の確認テスト

Q1. 炎が自分の服に燃え移った.どうする?

A. 走って水を取りに行き,消火する.
B. 走って炎を風で消す
C. 立ち止まって,寝て,転がって消火する.

Q2. 消火器を使う際,ノズルを向ける方向は

A. 炎の上の方
B. 炎のど真ん中
C. 炎の根元

Q.3 消火器を運ぶとき,持つ場所は

A. 黄色の安全栓
B. レバーの下側
C. 赤色の本体部分

Q4. 次のうち,正しい行動は(※複数選択)

A. 火災時の行動を全員で事前に予行演習をしておく.
B. 火災が起きたが,頑張って作ったロケットが火災源だったので,消火器を使わないかった.
C. 火災が起きた場合は,火災源がロケットだろうが躊躇なく消火器をぶっ放す.

Q.5 次のうち,正しい行動は

A. 炎を使わない簡単な実験だったので,安全メガネを付けなかった.
B. 冬場の乾燥した落ち葉が周りにあるが,気にせず点火の実験を行った.
C. 動きやすい服装で,作業着を着用して実験を行った.

安全知識は実行しないと意味がありません!
これくらいなら,まあいいか.という慣れや油断が一番危険です.
開発を急ぎたくて焦ってしまうときこそ,立ち止まって安全対策を思い出してください.

Q.6 ↑の文章を心に誓いますか?

A. YES
B. わかりました.
C. はい.

解答

Q.1 C 
Q.2 C
Q.3 B
Q.4 A, C
Q.5 C
Q.6 A, B, C

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